暖かくなったと思ったらまた真冬のようになごり雪が降って気候に振り回されてしまいますね。
 
大島コーチです。
 
フットボールにもスタイルがあります。
 
容姿ではチームカラー。国やチームを象徴する配色など、見た目も重みがあります。名古屋オーシャンズでは赤をオーシャンズレッドなんて呼ぶそうですが、とある関係者の方は「オーシャンズレッドの血が流れている(ような)選手が欲しい。」とおっしゃっていました。色に込められた意味を知ると面白いですね。
 
プレーではプレースタイル、チームスタイルがあります。
話が長くなってなってしまうのでチームスタイルは今回置いておいて、
プレースタイルのお話をします。
 
皆さんもお分かりになると思いますが、個人においてはスピード、パワー、高さ、持久力というフィジカル要素とテクニック、戦術、闘争心という頭脳・精神的要素があります。
 
何か人より秀でたものがあり、活用していればスタイルと呼べるでしょう。
 
子供のあこがれるプレースタイルは「華麗なテクニックで勝つ」ことが圧倒的多数なのかなと感じます。
 
現在人気のある選手はメッシ、クリティアーノ・ロナウドでしょうか。
どちらも点取り屋でスピードがありドリブルを得意としていますがスタイルは全く異なります。
 
クリティアーノ・ロナウドは手数の多いフェイント、体格を生かした間合いやヘディングゴールなど万能型。守備者を食いつかせて抜き去る感じ。華麗なプレーでファンに魅せるプロフェッショナルな選手。たまにやりすぎな感じもありますが(笑)
 
メッシはシンプルなテクニックでスピードの中でボールを動かしたり切り返したり、超精度の基本技術で守備者を置き去りにするスピード型。勝利に直結するプレーで勝ってファンの期待に応えるタイプです。
 
クリティアーノ・ロナウドとまったく同じ動作スピードでフェイントするのはアスリートではなくては出来ませんが形は真似できるものです。
 
一方メッシはやっていることはほぼ基本動作なので真似をしようとしてもわかりやすい特徴はありません。
 
実はこれはすごいことなのです。
 
シンプルイズベストなんていいますがフットボールでもそれは奥が深いものです。
 
動作が基本的なものでも活躍できるのは、プレーを選択する頭脳・シンキングスピードがあり、さらには思考を超えた反射的な反応で動くことができる能力がある証拠です。
 
分かっていても真似できないプレー。状況によって変幻自在でつかみ所がない。
まさに達人の域です。
 
とはいってもチームスポーツなので味方の影響を受け、バルセロナでは活躍できるけど代表では思うようにいかない。そこがまた面白い。
 
スタイルは状況・境遇によって良いか悪いかは変わってくるのです。
 
子供の年代においては本人が意識していない感覚レベルなので「特徴」としてとらえ、コーチが強みをアドバイスとして教えてあげています。
 
そして達人の域でもやはり基本が大切。
 
ドリブル、トラップがシンプルに正確に出来ればボールを注視しなくてもいいので周りが見れるようになる。
 
神経を集中しなくても動作ができるので考える余裕が脳にできる。周りが見られれば多くの選択肢から良いものを選べるようになる、敵の位置が分かるので焦らなくなる。
 
基礎の充実が段々できることを増やしていける足がかりなのです。
 
子供たちに「変幻自在のプレースタイル」を身につけて飛躍して行ってもらいたいですね。