実際にU-12年代で行なっているトレーニングメニューや戦術の紹介、ゲーム分析などを動画でお送りする「NAGOYA OCEANS U-12 TACTICS MOVIE」
今回は「自陣からの展開力が身につく基礎練習」です。
今回のメインテーマは「前進」
現在、日本の中学生以下の公式戦では、「ハーフ越え禁止」というルールがあります。「ハーフ越え禁止」とは、ゴレイロからのスローやキックがハーフラインをノーバウンドで越えてはならないというルールです。フットサル特有の魅力である攻守の切り替えの速さ、ピンチからチャンス、チャンスからピンチ、「天国から地獄(またはその逆)」感が無くなる代わりに、育成年代の選手には「認知・決断」の機会、戦術的思考を鍛える機会を多くもたらしてくれます。
逆に、「前進」フェーズを何も対策せずに試合を迎え、相手チームが前からプレスをかけてきた場合、狭いピッチのフットサルの試合では、回避するのが非常に困難です。
今回のトレーニングの特徴は、
・ハーフコートで行うことができる
・ゴレイロが一人でも行うことができる
・実際の試合で「前進」が成功した後に起きそうな4対3の攻守も併せてトレーニングできる
以上3点です。
今回は「前進」のトレーニングとして紹介しましたが、守備もつけたトレーニングであるため、指導者のフォーカスするポイントを「守備」にすることで、守備のトレーニングにもなります。具体的には、①「前進」を阻むための守備②数的不利の守備を
同時にトレーニングできます。
全くこの通りに行う必要はなく、プレーヤーの人数やレベル、コートの大きさ、使用できる用具など、様々な条件に合わせてアレンジできます。
例えば、「前進」において、攻撃があまりにも上手に行きすぎている状況であれば、少しコートの幅を狭く設定したり、その逆であれば、守備チームに1つボールを手で持たせて、手でボールを持っている時には、攻撃のボールをカットできないなど、ルールや設定を少し変化させてあげるのも良いと思います。
また、人数が多く、待ち時間を減らしたい場合には、守備側がボールを奪った場合にはゴールへシュートではなく、ゴレイロにパスし次の前進準備、ハーフライン付近で待機させた3組目が守備になるという流れにすれば、スムーズにトレーニングが行えて選手のプレー時間も確保しやすくなると思います。
エリートプログラムコーチ 廣瀬