こんにちは。名古屋オーシャンズフットサルスクール大府校みなと校コーチの木村です。
いよいよ夏休みが終わり学校が始まりました。
デルタ株の脅威もあり、不安を抱えながら登校したり送り出したりしている方も多いのではないでしょうか。
私もその1人ですが、運動をしないことによる精神面の悪影響もあります。
(皮肉にも)コロナが運動の大切さを教えてくれたという側面もありますね。
もちろん最大限の注意を払いつつ、思いっきりフットサルを楽しんでもらおうと思っています。
さて今回は大府校及びみなと校(金曜日)で私が指導しているドリブル戦術について書きたいと思います。
私の勝手な考えですので「そんなもんか」程度に読んでもらえれば結構です。
違う考え方もリスペクトしています。
▽ドリブル”戦術”とは??
戦術とは簡単に言うと『戦い方』『作戦』です。
相手を抜くために、どうやって仕掛け、かわし、抜いていくか?この一連の駆け引き、作戦のことを戦術、ドリブルを用いた主に1対1の戦術をドリブル戦術と呼んでいます。
簡単な例を出すと「右に行くふりをして左に行く」というような感じです。
▽大府校のドリブルスタイル
大府校及びみなと校の金曜日では、この動画のような考え方でドリブル戦術を指導しています。
1.ズラす
2.揺さぶる
3.かわす
4.背負う
の4ステップに分けて考えていますが、大切にしているのは相手との駆け引きです。
最終的に逆を取って勝つことを重要視しています。
▽なぜ駆け引き重視型なのか?
大府校のドリブルスタイルをここでは仮に『駆け引き重視型』と表現することとします。
違うスタイルとして『フィジカル重視型』『幻惑型』があると思っています。
フィジカル重視型がスピードや体の大きさを生かして突破していくスタイルです。
サッカー日本代表の伊東純也選手をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。
長所は手数・時間を掛けずに突破できるところです。
短所としてはスピードや体の大きさという元々の資質がないと厳しいところでしょうか。
後天的にスピードや体格を身に付けることが無理とは思いませんが、そこに時間を割くのは小学生には不向きかなと思います。
自分よりもスピードや体格が優る相手だと一気に難しくなりのもフィジカル重視型の特徴です。
幻惑型とは得意なフェイントやボールタッチで相手をかわしていくスタイルです。
このスタイルの代表格はやはりネイマール選手でしょう。
駆け引き重視型との違いは、ある程度決め打ちで技を出すところでしょうか。
自分の間合いや距離感が合えばキレイにハマりますし、その時はすごく派手なので見栄えもいいのが長所です。
相手の対応を想定してトレーニングすることも可能で、1人でもある程度効率よく鍛えることが出来るのも良いところですね。
短所は色々な条件で自分の間合いや距離感で戦えない時に、対応が難しいところです。
また相手に読まれてしまうと逆にキレイに奪い切られてしまい、カウンターを受けることが多いのもこのスタイルの特徴です。
駆け引き重視型は『相手の逆を取る』ことがメインの狙いになります。
久保建英のドリブルを思い起こしてもらえるとわかりやすいと思います。
長所は小さくてもスピードに自信がなくても勝てること。
言い換えると練習次第で誰でも身に付けることが出来るところでしょうか。
相手を見て臨機応変に攻め手を変えれるので、どんな相手にも後出しジャンケン的に勝つことができます。
この『臨機応変さ』『後出しジャンケン』が幻惑型との一番の違いです。
短所は突破までに手数や時間が掛かりやすいこと(もちろんそうならないような対策はあります)、習得に時間がかかることでしょうか。
それぞれのスタイルに特徴があり、長所や短所があります。
スタイル自体に良い悪いはなく、極論を言えば選手や指導者の好みになってきます。
▽「小よく大を制す」「大は小を兼ねる」
「小よく大を制す」
とは武道でよく用いられる言葉で「柔よく剛を制す」のほぼ同じ意味と私は捉えています。
まさに大府校のドリブルスタイルを表す言葉です。
しかし
「大は小を兼ねる」
という言葉もあります。
何が言いたいのかというと
小さくても勝てるスキルを持った選手が、大きくなれば最強なのではないか?
ということです。
小さくても遅くても勝てるドリブル戦術を身につけておけば、仮にその選手が大きくてもまたは将来的に大きくなっても活用できる、むしろ最強になるのではないか?
という考え方です。
逆に大きくないと出来ない戦い方を小学生年代からしてしまうと、大変危険だと思います。
そういった意味では
フィジカル重視型<<<駆け引き重視型
が育成年代では合っているというのが私の考えです。
(幻惑型よりも駆け引き重視型が合っている理由は後述します)
▽個性を潰す危険性
私は駆け引きを重視した方が子供達の将来にとって良いと思っています。その考えにプライドもそれ相応の理由も持っていますが、しかしこういったスタイルの違いは極論指導者の好みだと書きました。
指導者の好みにこだわり過ぎてしまうと子供達の個性を潰してしまう危険性もあるということは、常々肝に命じています。
例えば体格がよくてスピードがある選手が、それを生かして突破することを指導者が否定してしまうと、その子は成功体験を積む機会がなくなってしまい、自信を無くしてドリブルで仕掛けることが減っていってしまうでしょう。
例えば自主練してきたヒールリフトを試合の中でチャレンジして、頭ごなしに怒られては『幻惑型』が好きな、ネイマールやロナウジーニョに憧れるサッカー少年の良さは消えてしまいます。
大切なのは生徒1人1人の特徴や想いを尊重した上で、指導することです。
私が目指すスタイルと違う方法も尊重し「でもこういう勝ち方もあるよ」と違う方法も提示する。
その子に合ったドリブルスタイルを一緒に作り上げていく意識を持つことが大切だと考えています。
▽フットサルという環境要因
私が駆け引き重視型を選択するもう1つの理由はフットサルという環境要因があります。
- 狭くてスピードを生かす場面が少ない
- ほとんどの場面でカバーリングがいる(純粋な1対1はほぼない)
- 味方やゴールとの距離感も近い(パスやシュートのの選択肢も常に持っていないといけない)
以上がサッカーと比べた時のフットサルの特徴(環境要因)です。
すでにお気付きの方も多いと思いますが、サッカーも年々スペースが狭くなり、守備戦術の発達も目覚ましいので、フットサルの環境に近ずいてきています。
このような環境下においては、スペースが必要なフィジカル重視型(特にスピード)や味方との連携が取りにくい幻惑型が駆け引き重視型と比べて少し不利になる思います。
フットサルのドリブラーは、常にパスもドリブルも出来る体勢で仕掛けていくのは、こういった環境に適応した結果だと思います。
▽ドリブラーがディフェンダーを育てる
サッカー日本代表の酒井宏樹選手は日本からドイツ、ドイツからフランスに移るにつれて、1対1の守備力が上がっていったと私は考えています。
ドイツはあらゆる局面の1対1を重視する文化がありますし、フランスはスピードのある黒人アタッカーがガンガン仕掛けてきます。
優れたドリブラーが酒井選手の守備能力を伸ばしてくれたと私は思います(もちろん本人の試行錯誤あってこそ)。
つまりドリブラーを育てることで優れたディフェンダーを育てることにも繋がります。
フットサルにおいては「攻撃の選手/守備の選手」という明確なっけ方は全くできませんが、それぞれの得意なプレーはあります。
私からするとアジリティのあるドリブラーが「(1対1の)守備は全くできません」というのは全く意味がわからないと思っています(アジリティはあるので)。
「このクラスに通っていて、守備が伸びないっていうのはありえないよ」
ドリブル強化クラス、ドリブルベーシッククラスに通う生徒たちには、常々このように言っています。
優れたドリブラーがいて、そこに勝とうとする意思があるのならば、必然的に守備力も上がっていきます。
そしてレベルアップしたディフェンダーに勝つために、さらにドリブル能力に磨きを掛けていくというポジティブなスパイラルが生まれていきます。
▽目指すレベルは…
なんども言いますが、それぞれのドリブルスタイルに良し悪しはなく、最終的にはそれぞれに合ったドリブルスタイルを築き上げていくことが一番大切です。
しかしフィジカル重視型、幻惑型、駆け引き重視型それぞれのスタイルの中でも序列があり、レベルの差があることは忘れてはいけません。
駆け引き重視型の選手の中でもレベルの高い、低いはあります。
レベルの高い駆け引き重視型のドリブラーは、「突破までに時間がかかりやすい」という短所をほとんど感じさせません。
(その方法は直接聞いてください)
またネイマール選手は単純なスピードで相手を剥がすこともできますし、駆け引きもめちゃくちゃ上手です。
つまりトップレベルまで上り詰める選手は、自分のスタイル以外の突破もめちゃくちゃ上手いということが言えます。
そういったことを念頭に入れたこれからもドリブルを指導していきます。
話が少し逸れますが、先日のスクール校対抗戦でサッカーチームに所属していない生徒が、週4回以上ボールを蹴っているであろう相手選手をスイスイドリブルでかわしていました。
さすがドリブル強化クラスの選手‼︎という印象でした。
ドリブルを専門的に習いたいという方は、是非ドリブル強化クラス(毎週火曜日18:00-19:00)、ドリブルベーシッククラス(毎週木曜日18:00-19:00)に継続的に通ってください。
お待ちいたしております‼︎