こんにちは。名古屋オーシャンズフットサルスクール大府校みなと校コーチの木村です。
先日このような内容のTweetを見ました。
“親になって初めてわかる。落ち着いている親の子が上手いんじゃなくて、子供が上手いから親は落ち着いていられる”
※個人攻撃をしたいわけではないので、引用はしません。文言も多少変更しています
おっしゃりたいことはわかります。
子育ての先輩としてリスペクトもします。
しかし、このご意見には私ははっきりと反対させていただきます。
◎尊重すべき意見
「上手い子の親だから落ち着いていられる」というご意見にも尊重すべき点はあります。
1人(もしくは複数)のお子様を育てていく中で、実感したご意見だからです。
「我が子がミスした時の、他の保護者からの視線がキツい」
「他の保護者から息子がヤジられる」
「下手の子は仲間外れにされる」
どれも直接聞いた話です。
こんな状況であれば、お子様がミスした時に何か言いたくなる気持ちもわかります。
なので「上手い子の親が落ち着いて観戦できるのは上記のような危険にさらされる環境にいないからだ」というご意見は尊重しますし理解できます。
◎子供がスポーツを辞めたくなる時
Tweetされた方と私で意見が共通しているのは『親がガミガミ言うのは良くない』というところです。
これもTwitterで知った記事です。素晴らしい記事なので是非読んでください。
一部抜粋いたします。
“子供がスポーツを辞めたくなる一番のきっかけは、
試合後の車中での親との会話”
“試合終了の10分後には、子供達の興味は他に移っている。
夕食の席でその試合についてまだ話したがるのは、
たいてい保護者である”
私も1人の親として耳が痛い部分もあります。
『運転中に助手席からガミガミ口を出されたら…』
『家に帰ってまで仕事のダメ出しを聞かされたら…』
想像してみるとお子様の気持ちもわかるのではないでしょうか。
◎「上手い子の親だから…」という意見は甘い
『子供は親がガミガミ言うことなくのびのびさせた方が良い』という大枠の方向性で見れば同じですし、「上手い子の親だから落ち着いていられる」という意見にも一定の理解はできます。
しかし敢えて厳しい言い方をさせていただきますと
それでも
「上手い子の親だから落ち着いていられる」という意見は甘い
と思います。
『周りの親に冷たい目を向けられようと』『我が子が責められようと』『仲間外れにされる危険性があろうと』
落ち着いて接してあげる姿勢が大切だと思っています。
人間は上手く行っている時は誰でも良い顔ができます。
上手く行っていない時、ネガティヴな状況こそ人間力が試されると私は思います。
お子様に「負けていても最後まで諦めるな」と伝えているなら、まずは大人がその手本となるべきです。
簡単なことではないです。
私も失敗することもあります。
ですが、上手く行かない時でも落ち着いていてくれる親が側にいてくれたら、子供も安心してフットサル・サッカーに打ち込めるのではないでしょうか。
◎期待して見守る覚悟
私は保護者の皆様に常々『期待して見守る』ことの重要性をお伝えさせていただいています。
私が勝手に考えたものではなく、ピグマリオン効果や様々な心理学的研究を鑑みての意見です。
『期待して見守る』
言うのは簡単ですが実行するのはなかなか難しいです。
勝負事において上手くいかないことの方が多いですし、フットサルもサッカーもチームスポーツなので1人1人に責任が掛かります。
みんなで目標にしてきた大事な試合で、お子様のミスで負けてしまうこともあるでしょう。
チームメイトに責められてしまうかもしれません。
そんな時にでも
「何をやっているんだ!」
ではなく
「次また頑張ろう」
と言ってあげることが必要です。
生半可な覚悟ではできませんが、結局トップレベルに到達する選手の多くはそういったご家庭で育っています。
スポーツ選手としてではなく1人の人間として育てていくと言う意味でもとても大切なことだと私は思います。
◎指導者の責任も大きい
「我が子がミスした時の、他の保護者からの視線がキツい」
「他の保護者から息子がヤジられる」
「下手の子は仲間外れにされる」
という相談をいただいたお母様に「コーチはどういったスタンスなんですか?」と聞くと
「何も言わない(普段から具体的な指示などはしない)」
「率先してミスに対して厳しいことを言う」
のどちらかのことが多いです。
私にも非常に反省していることがります。
ある大切な試合で審判のジャッジに納得がいかずに抗議のような言葉を言ってしまったことがあります。
その瞬間今まで静かに観戦していたベンチの選手や保護者の皆様まで、私以上に熱くなってしまったことがありました。
何が言いたいかというとチームの雰囲気を作るのは指導者であるということです。
文句の多い指導者が率いるチームは、選手も味方のプレーに対して文句を言い合っています。
実力が不足している選手を「練習不足」と切り捨てる指導者のチームでは、「あの子のせいで負けた」と他の子の親が平気で口にします。
逆に普段から「ミスは誰にでもある。それをフォローするのが仲間だ」と伝えているチームであれば、そんなことはほとんど起こりません。
自戒を込めて書いておきます。
チームの雰囲気、保護者の雰囲気が良くないのは指導者の責任が大きいです。
◎お子様の可能性を広げたいと思うなら
お子様のプレーに関して細かくしてすることは、ポジティブな内容だったとしてもお子様の可能性を狭めることになり兼ねません。
とは言え無関心では、お子様も寂しくなります。
『期待して見守る』
そんなスタンスで接してみてはいかがでしょうか?
もちろん指導者である私も同じです。
時に「なぜそんなことも出来ないんだ」と思ってしまうこともあります(経験を積んでだいぶ減りましたが)。
自主練をしないなど、お子様の取り組み方を不満に感じることもあるでしょう。
それでも自分に期待して暖かく見守ってくれるお父さんお母さんのことをお子様は「裏切りたくない」と思うはずです。
小学生の間は気づけなくても必ずいつかは気づきます。
難しいですね。
大切な我が子のことだからこそ難しいのも理解できます。
期待しているからこそ口を出したくなるのもわかります。
私も日々葛藤し「言いすぎたかな」と反省する毎日です。
なので偉そうなことは言えませんが、いっしょに頑張りましょう。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。