こんにちは。名古屋オーシャンズフットサルスクール大府校みなと校コーチの木村です。
引き続き『見えないものを見る力』についての後編を書いていきたいと思います。
前編をまだ読まれていない方はこちらからご確認ください。
超一流のサッカー選手やフットサル選手は、テレビや観客席で観戦していても「いつ見てたの??」と思うようなパスやシュートをすることがあります。
なぜそんなことが出来るのか?については前編で書きました。
鍵は『予測力』だというのが私の考えです。
ではそのような『予測力』とは、一部の才能に恵まれた選手だけが生まれながらに持つ特殊能力なのでしょうか?トレーニングで身につけることはできないのでしょうか?
後編はそのようなところから書いていきたいと思います。
◉予測力を支えるもう1つの鍵
予測力を支える1つ目の鍵は『認知力』だと書きました(詳しくは前編をご参照ください)。
しかしそれだけでは「見えないものを見る力がある」とは言えません。
例えば見ていなくても耳から得られる情報でパスを出しているのだとすれば、上述のような一流選手はみんな耳が良いということになります。
科学的根拠はありませんが、おそらくそんなことはないでしょう。
プロの試合では観客の大声援のおかげでほとんど味方同士の声は聞こえないという話もあります。
予測力を支えるもう1つの鍵は『戦術』だと私は思います。
◉なぜ戦術が予測力の鍵になるのか?
なぜ戦術が予測力を支える鍵になるのか?
例えば下記のようなチーム戦術を持っているチームがあったとします。
『縦パスが入った時に素早く味方が追い越しましょう』
『縦パスを受けた選手は可能な限りダイレクトで味方に繋ぎましょう』
『優先順位は①縦パスを受けた選手の背面②マイナスへの落とし③キープして味方を待つ』
このようなちーむであれば、縦パスが入った瞬間に仮に味方の動きを見る余裕がない時もトップの選手はフリックで背面にパスができるかもれません。
チーム戦術などがないのにこのようなプレーをするのは再現性が低く、適当なプレーとネガティブな評価を受けるかもしれませんが、チーム戦術の範囲内であれば、仮にパスが繋がらなかったとしても、むしろ褒められるプレーだと私は思います(考え方はそれぞれですが)。
個人戦術、グループ戦術、チーム戦術がしっかりとあるチームであるほど、味方の動きは予測しやすくなります。
だからこそ戦術というのは大切だと私は思います。
最近はプレーモデルという表現も使われますし、原理原則というものもあります。
◉背面へのパスの名手
古い選手で恐縮ですが、背面へのパスの名手といえば私の中では元イタリア代表でローマのバンディエラのトッティ選手が浮かびます。
↓↓↓プレー集です。特に4位以降のパスはどれも背面への素晴らしいパスです
トッティ選手はまさに「見えないものを見る力」を持っている選手でした。
そんなトッティ選手はどうやって育ったのでしょうか?
◉トッティはどうやって育ったのか?
ここからは私の予想であり空想です。それを踏まえて読んでください。
トッティ選手はどのように育ったのでしょうか?
おそらくストリートサッカーで即興的なアイディアとそれを実現する技術を
クラブチームで戦術と試合での経験を
身につけていったのではないでしょうか?
色々な年代の選手が入り混じり、デコボコの路地裏で繰り広げられるストリートサッカーは、相手を出し抜く発送や技術を身につけるのに最適です。
しかしそれだけでは、特別な選手にはなれません。
プラスしてクラブチームで戦術を基礎から学び、ストリートサッカーで学んだスキルをいつ?どんな時に使えば効果的か?を学ばないといけません。
ストリートサッカーとクラブチームでの経験が2つ掛け合わさってトッティ選手は「見えないものを見る力」を身に着けていったのではないでしょうか?
◉ストリートサッカーに替わるモノ
トッティ選手に限らず一昔前の選手はほとんどがストリートサッカー経験者でした。
それが今ではブラジルでさえ街角でボールを蹴る少年がいなくなったと聞きます。
以前はストリートで勝手に身に着けていたアイディアと技術を今の時代の子どもたちはどのように身に着けていけば良いのでしょうか?
答えはわかりません。しかし過去と比べて発展したこともあります。
テクノロジーです。
今はYouTubeなどのネットで簡単に世界各地のサッカーやフットサルが観れます。
そのような環境はトッティ選手の幼少期には無かったことです。
トッティ選手がジャンニーニに憧れて真似をしていたように、今の子供はより手軽にトップ選手の技術を見ることが出来ます。
また自分のプレーを動画ですぐに振り返りできるのも過去との大きな違いでしょう。
例えばネイマール選手の技をYouTubeで観て、真似をして、動画に撮って復習するというようなことが簡単にできる時代になりました。
ストリートサッカーがしにくくなった反面、発達しているテクノロジーを活用するという新たな手段が生まれました。
◉「見えないものを見る力」を身につけるために必要なこと
少し本筋からズレてしまいました。
「見えないものを見る力」を身につけるための鍵となるのは『認知力』と『戦術』だと書きました。
つまり優れた認知能力を獲得できるようなトレーニングと戦術に基づいた再現性の高いトレーニングを積むことで、見えないものを見る力を養うことが出来ると私は思っています。
数秒前に見ていた味方と相手ポジショニングから、自分のチームの戦術というフィルターを通して、次の起こる展開を予想する。
そういったことが出来るようになれば「見えないものを見る力」を持った選手に一歩近づくことが出来るのではないでしょうか。
認知能力と戦術を携えた上で繰り返しトライ&エラーを繰り返していくこと、経験値を積み上げていくことが大切だというのが私なりの答えです。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
少しわかりにくい内容になってしまい恐縮です。
上記のようなことも踏まえてオーシャンズスクールでは、認知力と戦術能力のトレーニングをたくさんしています。
早い子だと3年生くらいから「今のいつ見てたの?」というようなプレーを見せてくれるようになります。
そしてそんな指導者の想像を超えるようなプレーを見るのが私は大好きです。
これからも私の想像も出来ないプレーを見せてくれる選手を育てていきたいと思っています。
今後とも宜しくお願いいたします。
U-8施設連盟選手権の募集におかげさまで、多数の方が申し込んでいただいています。
もう少し増えたら2チームでの参加も検討いたします。
2年生のみんなの参加お待ちしています!