「突然ですが、あなたはキックの種類をいくつ持っていますか?」
こんにちは、NAS大高校、みなと校コーチの廣瀬です。最近、普段フットサルを教えている生徒のサッカーでのプレーを見る機会が多く、ぼんやりと感じたことをきちんと検証してみました。フットサルをプレーすることが、サッカーになぜ生きるのかをこれまでお伝えしてきましたが今日はそれを「キックの種類」に着目してお伝えします。ちょっと専門的な内容になりますが、なるべく小学生や競技経験のない保護者の皆さんにもわかりやすくを心がけますので、どうか最後までご覧ください。
コートの広さで必要なキックの種類が変わる
下記のような場面で使用するキックについて一緒にお考えください。
「赤1」の選手から「赤2」の選手へパスをするためのキックの種類は主に3つあります。
①右足のインサイドキック
②右足のアウトサイドキック
③左足のインサイドキック
もちろん「赤1」の選手の利き足も関係してきますが、それぞれのキックについてのメリットとデメリットがあります。
①右足のインサイドキック
強く正確なパスを蹴ることができるが、「青B」にパスすることは察知されやすい
②右足のアウトサイドキック
「青B」にパスすることを察知されにくいが、パスのスピードはインサイドキックほど速くない
③左足のインサイドキック
「青B」にパスすることを察知されにくく、強く正確なパスを蹴ることができるが、「赤1」が「青A」に寄せられていない必要がある
もちろんサッカーでもこれと似たような場面でキックの選択に気を使うシーンはありますが、フットサルはほぼ毎回、瞬時にこれらを選択する必要があります。なぜなら、コートのサイズが狭く、相手チームの選手が常に近い状況下でプレーをするためです。
「相手に察知されないこと」と「スピーディー」に行うことの違い
コートサイズや使用するボール、人数など、フットサルとサッカーでは違いがあります。上記と似たようなシーンでもサッカーのコートで、「赤1」と「赤2」の距離が長い場合は「①右足のインサイドキック」をより正確に強く蹴ることが求められると思います。なぜなら、守備側の「青B」と「赤2」の距離も長いならば、次の展開を多少は察知されても、スピーディーなプレーとパススピードが「赤2」が次のプレーをすることの助けになるためです。
ただ、フットサルは常に相手との距離が近いですが、サッカーには距離が遠い時と近い時があるという特徴があります。下の画像は記憶に新しい先日の日本代表vs中国代表の試合の1シーンです。右端に日本代表の選手が1名見切れているのですが、両チームのGKを除いた20名全員がハーフコートの半分ぐらいの距離の中でプレーしています。中国の守備を最後まで崩せずに0vs0で引き分けた試合でしたね。このような選手同士の距離が近い場合には、フットサルで意識していることがサッカーにもいきます。
キックは目的を達成するための手段の一つ
今回は1つのシーンを取り上げて説明しましたが、フットサルではパスのコースがない時に少しボールを浮かせるループパスや小さい事前動作で初速の速いトーキックなども頻繁に使用します。トーキックなどは小さなゴール対してGKの反応を上回りシュートを決めるために用いることも多いです。
フットサルとサッカーについて、主にキックの種類について今回は説明しましたが、キックはあくまで目的を達成するための手段の一つなので、そのプレーの目的が達成されればどれを選択しようが自由です。ただ、手段が多い方がより良い選択をすることができると思いませんか?そして、その手段(=キック技術)の種類を増やすためには、日頃からそれが否応なく必要とされる環境でプレーすることが習得の近道です。ぜひ、フットサルをプレーしてキックの種類を増やしましょう。
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