今日は名古屋オーシャンズフットサルスクール大府校みなと校コーチの木村です。
先日このようなTweetをしました。
気がつくといつも味方のミスをカバーしてくれている子もいる
全員ゴール前に駆け上がる中、1人自陣に残る子もいる
そんな子は控えめでマイペースな性格な子が多い
それを『積極性がない』と断罪するのは良くない
そしてそんな子に論理的にチャレンジするべき場面を伝えて育てるのが指導者の役目 https://t.co/QALpEwSHKQ
— 木村幸司_3児の父_育成年代のフットボール指導者 (@kimura_football) January 26, 2022
Twitter は飾らずに本心をそのまま書くことを意識しているで、本音がそのまま出ますね 苦笑
Twitter では書ききれなかった私の考えをブログで補足したいと思います。
◉ Tweetのきっかけ
まずこのツイートをするに至ったきっかけがあります。
それはフォロワーさん(サッカー指導者の方)のツイートに「サッカー選手は負けず嫌いじゃないと上手くならない」という言葉を見つけたのがきっかけでした。
私も以前は同じように考えており、試合で負けた後に悔しがらない(ように見えた)子供達に怒ってしまった過去があります。当時の子供達には申し訳なく思っています。
スポーツ選手はみんな負けず嫌いじゃないとだめなのでしょうか??
そんなことはないはずです。
負けず嫌いな子ほど成長が早いというような風潮は世間一般にあるような気がします。
仮にこれを負けず嫌い至上主義と呼んだとするとそのせいで多くの才能が潰されていると私は思います。
◉ 負けず嫌いにも長所と短所がある
負けず嫌いの子にも長所と短所があります。
私が学んだメンタルトレーニングでもDIPCA.3言うメンタル面のパフォーマンスを数値化するアンケートのようなものがあります。
DIPCA.3の詳細はこちらのブログでご確認ください>>>https://goal-ach.com/selfcheck/
その項目の中に『闘争心』『勝利意欲』というものがあり、負けず嫌いの子は『闘争心』『勝利意欲』のパフォーマンスが高い子のことだとと言えると思います。
何を隠そう私がそのタイプです 苦笑
長所としては勝ちたい気持ちが強く、大一番や強い相手にも立ち向かっていく面を持っています。
反面気分に浮き沈みがあり、大事な試合じゃないと感じている試合でパフォーマンスが落ちたり、継続した努力が苦手という短所があります。
◉ チームのピンチをいつも地味に救ってくれる子
Tweetにもある通りよくよく選手のプレーを観察すると、いつも味方が困った時にサポートしてくれたり、最後尾に残って相手の次の攻撃に備えてくれる子がいることに気づきます。
そういった子の親御さんは「うちの子は積極的じゃない」「自信が持てていない」という風に思われている方が多いようですが、実際に子供本人に聞いてみると
「みんなが上がると守る人がいなくなると思ったから残った」
というような回答が返って来ることが多いです。
もちろん自信の無さの現れのケースもありますが、このような子もいるから『チーム』が成り立っているということは忘れてはいけません。
◉ 論理的にチャレンジしていい場面を指導する
そんなある意味消極的な、でもチームにとって欠かせない役割を背負ってくれているタイプの生徒に私が指導で心掛けていることは、論理的にチャレンジしていい場面を理解してもらい、チャレンジしないとチームにとってマイナスになる理由を説明します。
例えば自分のシュートが届く距離でDFと1対1になったら、積極的に自分で打開してシュートするようにいつも指導していますが、その論理的理由は
・もしシュートが外れてもカウンターを受けるリスクが少ないから(相手のゴールクリアランス、サッカーではゴールキックで再開することになるため)
・仮にカウンターを受けることになっても自陣ゴールまで距離があるため、追いついて守れる可能性が高いから
というように説明しています。
「だから積極的にチャレンジしよう‼」と言えば納得してくれます。
責任感が強い子には「誰かが『シュートを外す』というリスクを背負わなければいけない。であれば他人にやらせるのではなく、自分がシュートを打つべきじゃない?」というように話すこともあります。
子供の性格によって対応を変えています。
◉ メンタルはバランスが大切
DIPCA.3では最終的にこのような円グラフでメンタルパフォーマンスを数値化します。
ここで大切なのは「円形」に近ければ近い方が実際のパフォーマンスは高いということです。
長所と短所はコインの裏と表なので、例えば『勝利意欲』が突出して高い選手が、成功する時は『勝利意欲』が要因になることが多く、反対に失敗する時も『勝利意欲の高さ』が要因になることが多いのです。
勝利意欲が高すぎて、本来の目的を見失ったり、過緊張に陥り周りが見えなくなるというようなイメージでしょうか。
メンタルトレーニングを積む前はこのグラフがギザギザで構わないのですが、選手としてパフォーマンスを上げていくのであれば、全ての項目をバランスよく伸ばす必要があります。
◉ フットサルはチームスポーツです
メンタルはバランスが重要ということを書きました。チーム全員が円に近いメンタルパフォーマンスを持っていれば最強のチームになるでしょう。
しかし現実にはそんなことはありえないですし、子供なら尚更です。
しかし、フットサルもサッカーもチームスポーツ。
みんなが足らないところを補い合って、得意なところを存分に発揮して、チームを助けていけば良いのです。
負けず嫌いな子は目立ちます。
試合の重要な局面で、体を張ってチームを救ってくれるかもしれません。
しかし、それ以外の性格の子もその子なりにチームに貢献しています。
体を張って守らなくても良いように未然にピンチを防いでいるかもしれません。
つまり何が言いたいかというと
性格に良し悪しは無い‼
負けず嫌いな子もそうじゃない子もみんな等しく大きな可能性を秘めている
ということです。
◉ 誰が子供の可能性を信じ抜くのか?
このような問題に直面するといつも同じ結論に至ります。
それは専門家であり指導者である私が子供1人1人の可能性を信じ抜かないでどうするのか‼
という思いです。
他人と比べ、目先の勝敗に一喜一憂するのは、当事者である本人やそれをサポートするご家族にとっては、ある意味当然のことと言えます。
「うちの子は負けず嫌いじゃないからダメだ」という方がもしいたら
「そんなことないですよ。〇〇くんは素晴らしいポテンシャルを持っていますよ」
と伝えたいし
「自分は才能がないかもしれない。プロになれないかもしれない」
と悩んでいる子がいたら
「〇〇くんなら大丈夫。どんな高い目標だって達成できるよ」
という風に言ってあげたいと思っています。
最後まで読んでいただきましてありがとうございます。
少し感情的に書いてしまいましたが、真意が伝われば嬉しいです。
今後ともよろしくお願いいたします。