こんにちは!愛知県、三重県でフットサルを教えている名古屋オーシャンズフットサルスクールです。
サッカーやフットサルをしていると、ヘディングでボールを競り合う姿や混戦の中に飛び込んでヘディングでゴールを決める姿を見て「かっこいい!」と憧れを抱くこともあるでしょう。
逆に、飛んでくるボールを頭で受けることに怖さを感じることもあると思います。
サッカー・フットサルにおいてヘディングが攻撃面でも守備面でも重要な技術のひとつです。
しかし、アメリカでは10歳以下の選手にヘディングを禁止する措置が取られるなど、脳や体に及ぼす影響が不安視されています。
日本でも日本サッカー協会(JFA)が2021年に『育成年代でのヘディング習得のためのガイドライン(幼年期~U-15)』を定めました。
https://www.jfa.jp/coach/heading_guidelines.html
「ヘディングを上手になりたい!」
「ヘディングは怖い」
どちらの気持ちも間違いではありません。
今回は、ヘディングにはどのようなリスクがあるのかや、安全にヘディングの練習をする方法などをお伝えします。
サッカー・フットサルのヘディングはどんな影響がある?考えられるリスクとは
ヘディングは頭に直接ボールを当てるため、さまざまな怪我などのリスクがあるといわれています。
1)首の骨の捻挫(頸椎(けいつい)捻挫/むち打ち)
衝撃により首にダメージを受ける可能性があります。
2)脳震盪(のうしんとう)
意識を失ったり、混乱やめまい、ふらつきなどを起こす可能性があります。
3)脳への障害
認知症や慢性頭痛、慢性外傷性脳症(頭部への外傷を繰り返し受けることで、年数を経てから慢性頭痛や平衡感覚の障害などの症状が現れるもの)などが心配されています。
その他、相手とヘディングで競り合う際に接触して頭や顔に怪我をするリスク、ジャンプした後の着地で地面に頭部を打ち付けるリスクもあります。
ただし、ヘディングが認知機能や脳への障害に影響を及ぼしているという医学的な根拠はありません。
これは、他の要素との関連など検証が非常に難しいためです。
また、1回のヘディングで受ける衝撃は、自動車衝突安全基準で使用されている「頭部傷害基準」の危険領域を下回っているようです。
それでも小学生が主に使用するサッカーボール(4号球)の重さは350〜390gあり、このボールが飛んでくるのですから、受け止めるときの負荷が大きくなるのは想像ができますよね。
プロ選手でもヘディングで脳震盪を起こすことがあります。
2016年~2019年のJリーグで起こった怪我などの中で脳震盪は80件でした。
そのうち29件(36%)がヘディングの競り合いが原因で、単独のヘディングで脳震盪を起こす割合は少なかったようですが、全く起こらないわけではありません。(JFA 育成年代でのヘディング習得のためのガイドライン(幼児期~U-15)より)
サッカー・フットサルのヘディングは禁止すべき?
脳震盪などのリスクがあるスポーツはサッカー・フットサルだけではありません。
たとえば、ラグビーやアメリカンフットボールは激しくぶつかり合うスポーツであるため、タックルなどが原因で脳震盪を起こすことが多くあります。
それでも、サッカー・フットサルのヘディングの脳へのリスクが注目されるのは、頭で直接ボールを受けるという他のスポーツではほとんどないプレーだからかもしれません。
また、頭を保護するためのプロテクターがないことも理由のひとつでしょう。
このようなことから、アメリカでは10歳以下の選手のヘディングを禁止する発表がされたり、年齢に応じてヘディングの練習回数を制限するサッカー団体や組織が増えています。
また、イングランドやスコットランドでもヘディングに対する規制やガイドライン作りが進んでます。
日本では「ヘディングに関わるリスクを避けるために、『禁止』するのではなく、『正しく恐れ』より適切な方法によるヘディングの習得を目指す」という方針でガイドラインが作成されています。(「JFAの方針」https://www.jfa.jp/coach/heading_guidelines.html)
ガイドライン内にある『元日本代表選手達からのインタビューより』には、次のような意見が載っています。
- 幼少期からめいっぱいやる必要はないが、やらなくていいものではないと思う。
- 小さい頃は「正面に入ってしっかり当てる」という基本が身に付くように指導を。
- 小さなときから身体の使い方を覚えておくべき。逆に急に中高生になってからやることの方が危険(怪我)は増えるのではないか。
そのため、ガイドラインでは安全面にも十分に配慮した上で、将来に向けて幼児期から段階的にヘディングを習得できるようなトレーニング方法を提示しています。
サッカー・フットサルのヘディングの必要性
サッカー・フットサルにおいて、ヘディングはどのような役割をしているのでしょうか。
戦術として考えると、ヘディングの技術が戦術になることはありません。
しかし、ヘディングにより戦術を的確に実行し、試合を優位に運ぶことは可能です。
たとえばコーナーキックでのゴール前の攻防をイメージしてみましょう。
ヘディングが使えない場合は、誰がどの位置でボールを蹴ってシュートを入れるか、という選択になります。
ゴールを狙うためのプレーの幅が狭くなると考えられるでしょう。
ヘディングが使えると、ゴール前の選手の足元までボールが届く前にカットして高い位置からヘディングでゴールを狙うこともできます。
これは守備側も同様で相手より先にボールを奪う手段としてヘディングは有効です。
これはゴール前だけに限らず、ロングキック(パス)など攻撃面でも守備面でもヘディングが使えるか否かでプレーの幅が大きく変わってくると考えられます。
そのため、中学生や高校生になるとヘディングを使う機会が増えてくるでしょう。
海外でヘディングが禁止されている地域のこどもたちは、一定の年齢になりヘディングの練習がスタートすると「怖くて避けてしまう」「タイミングが合わせられない」ということが起こるケースもあったようです。
危ないからという理由でこどもの頃にヘディングのトレーニングをしないことは、逆に怪我などのリスクが高くなると考えられます。
だからこそ、ヘディングのリスクをきちんと理解した上で、こどもの頃から正しいヘディングの技術を身に付けていくことが将来にとってとても重要です。
サッカー・フットサルのヘディングを安全に習得するには?
ガイドラインに沿って安全に練習する方法を紹介します。
【幼児期】
この時期のトレーニングでは、風船や新聞紙ボール、紙風船のような軽いものを利用して、額にボールを当てたり、乗せたりして空間把握や距離感を身に付けていきましょう。
<トレーニング例>
- 風船などの軽量ボールを自分で投げてキャッチする
- 落ちてくる風船を手、肩、額など様々な場所に当てる
- 風船が地面に落ちないように手や足などに連続して当てる
- 風船などの軽量ボールを額に乗せる
【小学校 1、2 年生】
幼児期と同様に軽量のボールを利用して遊び感覚でボールを扱う身体の動かし方を身に付けていきましょう。
<トレーニング例>
- 風船を落とさないようにキャッチしたり額に当てたりする
- 100円ショップなどで買える軽量ゴムボールを自分で上に投げてキャッチする
- 軽量ゴムボールを揺らして額に当てる
【小学校 3、4 年生】
少しずつヘディングの技術練習が導入されてくる時期ですが、4号球でヘディングをするのは負荷が大きいので注意しましょう。
<トレーニング例>
- 100円ショップなどで買えるボールでキャッチボールをする
- 軽量ボール(バレーボール等)をボールネットに入れて額に当てる練習をする
- バウンドさせた軽量ボールを額に当てる
- 高さを変えて軽量ボールでジャンプヘディングをする(10回程度まで)
【小学校 5、6 年生】
試合の中で空中戦の状況が少しずつ生まれるようになる時期です。
空中にあるボールを手でプレーすることを中心に、二人で同時にジャンプしたり、空中のボールを手で取り合うなど空中のプレーに慣れていくようにしましょう。
<トレーニング例>
- サッカーの4号球を使ってフライボールをキャッチする
- サッカーの4号球をボールネットに入れて額に当てる
- ボールネットの高さを変えてジャンプしてヘディングする
- バウンドさせたボールを額に当てる
【中学生】
使用するボールが5号球になります。筋力がついて競り合いの強度が高くなってくるため、相手と正当な競り合いができるようなトレーニングや、体幹・首回りの強化など基礎体力を伸ばすトレーニングも取り入れましょう。
<トレーニング例>
- フライをジャンプしてキャッチする
- 軽量ボールを自分で投げ上げ、ジャンプして最高到達点でキャッチする
- 相手の投げた4号球をジャンプして最高到達点でキャッチする
- ヘディングでリフティングを10回程度おこなう
- 首のストレッチ、体幹トレーニングをおこなう
- 相手が下から軽く投げたボール(5 号球)をヘディングする(10回程度)
ジュニア世代は大人に比べて頭への衝撃を受けやすいといわれています。
まずは軽いボールを利用して、体の使い方や頭のどの位置でボールに触れるかなどのトレーニングをするようにしましょう。
正しい方法を楽しくトレーニングをすることで、ボールに対する恐怖心を抱くことなくヘディングの技術を身に付けていくことができます。
発育に合わせて適切にヘディングのトレーニングをしよう!
ガイドラインでは、学年で区切ってトレーニングの例が挙げられていますが、こどもの発達や発育は人それぞれです。
こどもの発達・発育の状態に合わせて適切なトレーニングをおこなうようにしましょう。
JFAのガイドラインには、元日本代表選手がインタビューで話したヘディング上達のアドバイスも掲載されています。
- 身体を使いボールのコースに入ってしっかり当てる。
- 恐怖心をなくすこと(怖い、痛いなど…)が大切である。
- ボールを直前までしっかり見る、目を閉じない。
- ボールをうまく頭に当てる、手の使い方、他人との競り方、跳ぶタイミングなど総合的にできるようになることが大切である。
- ジャンプの姿勢や高く跳ぶための予備動作としての手の使い方は大切である。
これらのアドバイスからもわかるように、ヘディングに重要なのは「頭にボールを当てる」ことではなく、恐怖心を持たずに正しい場所でボールを受けられるように、身体を総合的にコントロールすることです。
そのために軽いボールを使った練習や体幹トレーニングなどをコツコツと積み重ねて、安全にヘディングの技術を伸ばしていきましょう。
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